しみ・くすみにとって紫外線は最大の増悪因子であり、肌の老化防止には日常的に紫外線をいかに防ぐかということがとても重要です。
紫外線はその波長によりA波(UVA)、B波(UVB)、C波(UVC)に分けられ、そのうち地上に届くのはUVAとUVBの2種類です。
UVBは照射直後には「サンバーン」と呼ばれる皮膚の赤みを、数日後に「サンタン」と呼ばれる色素沈着を引き起こすのに対し、UVAは照射後数時間で皮膚の色素沈着を引き起こします。またUVAには窓ガラスを通過してしまう、曇りの日でも相当量が地表に到達する性質があるため、ふつうに生活しているだけでもかなりのUVAに曝されている可能性があります。さらにUVAは真皮の深くまで到達するため、肌の「光老化」の原因になると言われています。
この紫外線を防ぐサンスクリーン製剤には、効果の指標としてUVBに対して「SPF」、UVAに対して「PA」という表示がついています。朝夕の散歩・買い物・草取りなどには「SPF10~20・PA+」、スポーツ観戦・真昼の外出などには「SPF20~30・PA++」、夏山登山、海水浴、炎天下のスポーツなどには「SPF30~50・PA+++」、と生活のシーンに合わせてサンスクリーン製剤の使い分けることが必要です。またケミカルピーリングやフォトフェイシャルといった、しみ・くすみの治療中には「SPF20~30・PA++」程度のもので、かつ紫外線吸収剤を含まないサンスクリーン製剤の使用が望ましいと考えられています。サンスクリーン剤の使い方としては、二度塗りするくらいにムラなくしっかり塗る、汗をかく場合は何度もこまめに塗ることが重要です。
サンスクリーン剤以外にも正午前後の外出を避ける、日傘や帽子を使用するなど紫外線から少しでもお肌を守る工夫をしましょう。
また、眼から入る紫外線も皮膚の色素沈着を増強させることが知られており、UVカットのサングラスも紫外線対策として有効です。
カテゴリ:お肌のこと 2007.07