今回は、「男性更年期障害」の診断についてのお話です。
前号でも述べましたが、男性更年期障害は単に男性ホルモンの減少した状態を言うのではなく、ホルモンの減少とともに症状を認める場合を言い、ただ男性ホルモンが減少していているだけでは更年期障害治療の対象にはなりません。したがって「男性更年期障害」の診断には、問診がとても重要なのです。通常、問診には横山らによる問診票を用います。
合計点が10点以上は男性更年期の可能性があり、18点以上の方は男性更年期がかなり確実と考えられています。
問診で男性更年期障害が疑われる場合は、遊離テストステロン(男性ホルモン)の測定を行います。男性更年期に該当する年齢では、遊離テストステロンの基準値は15~16pg/mlで、9pg/ml以下であれば男性ホルモンの欠乏と診断します。問診と血中テストステロン値により、男性更年期障害と診断された方が、治療の対象となります。
症状があるだけで、男性ホルモンの欠乏がない方は、更年期障害以外の原因を検索する必要があります。
次回は男性更年期障害の治療についてお話しします。
カテゴリ:アンチ・エイジングのこと 2008.05