男性更年期障害の治療法には、減少した男性ホルモン(テストステロン)を補充するテストステロン補充療法があり、注射療法、漢方療法の2つ方法があります(有効な経口剤は日本では未認可です)。
前回もお話しましたが、治療の対象は、症状があり、テストステロンが低値を示した方です。
注射の場合、筋肉注射を2週間から4週間に一度行います。効果の現れ方は個人差があり、注射直後より効果を実感される方や、3ヶ月程度かかる方など様々ですが、3回が一つの目安と言えます。
治療後3ヶ月、6ヶ月の時点で症状の改善度、副作用の程度、本人の希望などを考慮して、治療を続けるかどうかを決定します。
注射療法では頻度は少ないものの、肝機能障害、多血症、睡眠時無呼吸症候群、不妊、前立腺腫大などの副作用のほか、前立腺癌のリスクが僅かながら上昇しますので、年に一度はPSA(前立腺腫瘍マーカー)などの検査が必要です。
漢方療法は効果が出るのがゆっくりで、最低でも6ヶ月程度は経過をみる必要がありますが、副作用が少なく前立腺検査等も不要なため、比較的気軽に治療を行えるという利点があります。
男性更年期障害の原因となるテストステロン減少は、「ストレスホルモン」と呼ばれる「コルチゾル」の増加によって引き起こされることが知られています。
コルチゾルは不規則な生活、運動不足、ストレスなどによって分泌が増加するため、男性更年期障害の治療中、また予防にはできるだけストレスを避けること、生活習慣の改善が重要です。
更年期障害治療を行ったにもかかわらず症状が改善しない場合は、何か重大な病気が潜んでいることもあります。放置せず、精密検査を受けましょう。
カテゴリ:アンチ・エイジングのこと 2008.09